東京ヤクルトスワローズ

球団のあゆみ

2000年代



1950年代1960年代1970年代1980年代1990年代2000年代2010年代
2000年
2月1日~28日
第1回浦添キャンプ
2月1日~6日
神宮キャンプ(ファーム)
2月7日~28日
宮崎県西都市西都キャンプ(ファーム)
7月5日
石井一久投手、対巨人13回戦(神宮)において、1,000奪三振を達成(プロ103人目)この記録は、野茂英雄投手(近鉄)に次ぐ、プロ野球2番目のスピード記録。
9月6日
高津臣吾投手、対阪神20回戦(神宮)において、150セーブを達成(プロ3人目)
9月28日
石井一久投手、対巨人26回戦(神宮)において、1,000投球回数を達成(プロ287人目)
10月11日
全日程終了、シーズン46失策、守備率.991はいずれもセ・リーグ新記録。また、古田敦也捕手の守備機会1,088はプロ野球新記録。石井一久投手は最終戦の対広島27回戦(神宮)に登板、1回を無失点に抑え山本昌投手(中日)に0.04の差をつけ、初の最優秀防御率投手に輝く。
11月4日~22日
秋季キャンプ(宮崎県西都市)

3年連続Bクラスも巨人の完全Vを阻止
若松勉監督2年目のシーズンは、序盤から苦戦を強いられた。敵地・ナゴヤドームで迎えた開幕戦こそ、先発の石井一久から中継ぎの山本樹、そして抑えの高津臣吾につなぐ盤石のリレーで快勝したものの、翌日から5連敗。4月19日からは4連敗で、この時点で7つの借金を抱えて最下位に沈んでいた。

しかし、4月27日の中日戦を宮本慎也のサヨナラ安打でモノにすると、そこから8連勝で貯金を1として3位に浮上。その後は再び4連敗を喫しながらも、5月11日の広島戦に川崎憲次郎で勝って連敗を止め、翌日から甲子園で阪神を3タテして2位に進出した。

5月25日からは新外国人レモン、川崎、ハッカミー、そして石井で4連勝を飾り、巨人を抜いてシーズン初の単独首位に躍進。だが、その頃チームにはまたしても故障の影が忍び寄っていた。開幕から先発ローテーションの一角を担っていた伊藤智仁が、右足内転筋を痛めてリタイアすると、7月には三番打者の佐藤真一が右ヒジ痛、8月には川崎が右肩の違和感で、相次いで離脱。投打の主力を次々に欠いて6月からは3ヶ月連続で負け越し、8月には最下位に逆戻りした。

それでも8月末からの6連勝で息を吹き返すと、9月27日から本拠地・神宮で巨人に3連勝。優勝を決めたばかりの相手に意地を見せ、完全優勝を阻止した。さらに10月7日の横浜戦ではペタジーニのソロ本塁打などで奪ったリードをハッカミー以下3投手のリレーで守り切り、貯金を1としてAクラスの3位に躍進。だが、ここで力尽きたか最後は4連敗を喫し、結局は3年続けてまったく同じ66勝69敗で、Bクラス脱出はならなかった。

打線ではペタジーニがリーグ2位の36本塁打、同4位の打率.316をマーク。宮本はプロ6年目で初の打率3割を達成し、岩村明憲も初の規定打席到達で18本塁打を放ったが、その他の主力は軒並み精彩を欠いた。

投げては石井が2年ぶりに2ケタ勝利を挙げ、防御率と奪三振の2冠に輝いたものの、前年は勝ち頭だったハッカミーは8勝止まり。前年は9勝の高木晃次もヒザ痛に悩まされて2勝に終わり、新外国人のレモンも3勝しかできなかったが、主に中継ぎで56試合に登板し、チーム最多の11勝を挙げた3年目の五十嵐亮太の奮闘が光った。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
読売ジャイアンツ
135
78
57
0
.578
2
中日ドラゴンズ
135
70
65
0
.519
8.0
3
横浜ベイスターズ
136
69
66
1
.511
9.0
4
ヤクルトスワローズ
136
66
69
1
.489
12.0
5
広島東洋カープ
136
65
70
1
.481
13.0
6
阪神タイガース
136
57
78
1
.422
21.0

主なラインナップ(監督:若松勉)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(中)
真中満
29
.279
9
41
2(二)
土橋勝征
32
.225
1
27
3(右)
稲葉篤紀
28
.281
11
30
4(一)
ペタジーニ
29
.316
36
96
5(捕)
古田敦也
35
.278
14
64
6(左)
高橋智
33
.285
13
44
7(三)
岩村明憲
21
.278
18
66
8(遊)
宮本慎也
30
.300
3
55
9(投)
※先発投手
池山隆寛
35
.229
9
21
副島孔太
26
.321
10
31
飯田哲也
32
.253
4
15
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
五十嵐亮太
21
56
11-4-1
3.11
石井一久
27
29
10-9-0
2.61
ハッカミー
30
24
8-6-0
3.35
川崎憲次郎
29
20
8-10-0
3.55
高津臣吾
32
35
0-1-29
2.08
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
最優秀防御率
石井一久(初)
最多奪三振
石井一久(2回)
ベストナイン(捕手)
古田敦也(7回)
ベストナイン(内野手)
ペタジーニ(2回)
特別賞
ゴールデン・グラブ賞(捕手)
古田敦也(8回)
ゴールデン・グラブ賞(内野手)
ペタジーニ(初)
ゴールデン・グラブ賞(内野手)
岩村明憲(初)
ゴールデン・グラブ賞(内野手)
宮本慎也(3回)
最優秀バッテリー賞
五十嵐亮太-古田敦也
会長特別賞・スピードアップ賞
稲葉篤紀(初)


2001年
2月1日~28日
第2回浦添キャンプ
2月1日~6日
神宮キャンプ(ファーム)
2月7日~28日
宮崎県西都市西都ファームキャンプ
3月21日
球団社長に多菊善和氏が就任。
4月4日
池山隆寛内野手が、対巨人2回戦(神宮)の8回裏、南投手より代打タイムリー・ツーベースを放ち、通算1,500本安打を達成(プロ81人目)
5月6日
池山隆寛内野手が、対広島7回戦(広島)の7回表、山崎健投手より代打スリーランを放ち、史上24人目の通算300号本塁打を達成。
5月31日
稲葉篤紀外野手が、対巨人11回戦(神宮)の9回裏、條辺剛投手より、リーグ26本目のサヨナラ満塁本塁打を放ち、首位巨人に勝率で1ゲーム差と迫る。
6月27日
対横浜13回戦(神宮)を、3-1の勝利で飾り、国鉄時代からの通算3,000勝利を達成。
高津臣吾投手、通算200セーブポイントを達成。
6月28日
ペタジーニ内野手、対横浜14回戦(神宮)で通算100号本塁打を達成(プロ213人目)
7月10日
古田敦也捕手、対巨人14回戦(東京ドーム)で通算150号本塁打を達成(プロ118人目)
7月11日
古田敦也捕手、対巨人15回戦(東京ドーム)で1,500安打を達成(プロ82人目)
8月16日
対横浜19回戦(神宮)で、延長12回を引き分けるも、優勝へのマジック・ナンバー33を点灯させる。
10月6日
対横浜26回戦(横浜)を、4-3の逆転勝利で飾り、4年ぶり6度目のリーグ優勝を決める。
10月25日
日本シリーズ第5戦(神宮)で大阪近鉄バファローズを4-2で降し、4勝1敗で、4年ぶり5度目の日本一の座につく。
11月6日~21日
秋季キャンプ(宮崎県西都市)

若松政権初V、4年ぶりの日本一に!
3年前の沢村賞投手、川崎憲次郎がFAで中日に移籍。ハッカミーも退団し、伊藤智仁は故障で離脱するなど、投手陣に不安を抱えたまま迎えた21世紀最初のシーズン。しかし、そんな投手陣に“救世主”が現れた。前年は1勝止まりだった藤井秀悟が4、5月で計6勝。前年限りで巨人を戦力外となった入来智は開幕から8連勝し、6月は圧巻の4勝0敗、防御率2.17で、自身初の月間MVPに選ばれた。

打線では開幕から一番に座った真中満が、5月に入っても4割を超えるアベレージをキープ。二番の宮本慎也がキッチリとつなぎ役を務め、三番の稲葉篤紀は5月31日の巨人戦でサヨナラ満塁本塁打を放つなど勝負強さを発揮した。四番のペタジーニも序盤から打ちまくり、4、5月と2ヶ月連続の月間MVPに輝いた。

投打の歯車がガッチリ噛みあって5月末には貯金を8に増やすと、6月1日に巨人が敗れて勝率でトップに。だが、この年のセ・リーグ順位決定方式は「勝利数優先」というものであり、順位表の上ではその後も首位は巨人。“隠れ1位”のヤクルトは着実に貯金を増やし、6月27日の横浜戦で球団通算3000勝を高津臣吾が通算200セーブポイントで飾った時には、その数を15まで伸ばしていた。

そして、古田敦也が通算1500安打を達成した7月11日の巨人戦で勝利数でも首位に並び、8月16日にはマジック33が点灯した。ところが攻守の要である古田が8月下旬に左ヒザじん帯損傷で戦列を離れると、そこから急激に失速。9月5日から6連敗を喫し、勝利数で再び巨人に抜かれて2位に後退した。

その悪い流れを変えたのが、ほかならぬ古田だった。9月24日にスタメン復帰すると、翌日からチームは4連勝。10月1日にマジックを1としてからは足踏みが続いたものの、敵地で行われた6日の横浜戦で延長10回の末に競り勝ち、若松勉監督就任後初のリーグ優勝を決めた。初めての胴上げで横浜の夜空に舞った指揮官は「ファンのみなさま、おめでとうございます」の挨拶で、スタンドを大いに沸かせた。

4年ぶりとなる日本シリーズの相手は、これが初対戦の大阪近鉄。その初戦に石井一久が12奪三振の快投で完封勝ちを収めると、続く第2戦は「いてまえ打線」の前に屈するも、本拠地・神宮に舞台を移した第3戦からは3連勝。最後は日本シリーズでは無失点継続中の高津が締め、4年ぶり5度目の日本一に。シリーズMVPには古田が選ばれた。

プロ2年目ながら投手陣をけん引した藤井は、14勝で最多勝を獲得。石井は2年連続5度目の2ケタとなる12勝で、自己最多10勝の入来とともに2ケタ勝利トリオを形成した。打っては本塁打、打点の二冠王・ペタジーニがリーグMVPに輝き、古田、真中、稲葉と合せ4人が打撃10傑入り。新外国人のラミレスも29本塁打を放ち、つなぎ役に徹した宮本はシーズン67犠打の日本新記録を打ち立てた。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
ヤクルトスワローズ
140
76
58
6
.567
2
読売ジャイアンツ
140
75
63
2
.543
3
横浜ベイスターズ
140
69
67
4
.507
4
広島東洋カープ
140
68
65
7
.511
5
中日ドラゴンズ
140
62
74
4
.456
6
阪神タイガース
140
57
80
3
.416
※2001年セ・リーグ順位決定方式は「勝利数優先」

主なラインナップ(監督:若松勉)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(中)
真中満
30
.312
7
36
2(遊)
宮本慎也
31
.270
1
17
3(右)
稲葉篤紀
29
.311
25
90
4(一)
ペタジーニ
30
.322
39
127
5(捕)
古田敦也
36
.324
15
66
6(三)
岩村明憲
22
.287
18
81
7(左)
ラミレス
27
.280
29
88
8(二)
土橋勝征
33
.249
2
31
9(投)
※先発投手
小野公誠
27
.213
2
6
池山隆寛
36
.192
4
12
飯田哲也
33
.294
1
9
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
藤井秀悟
24
27
14-8-0
3.17
石井一久
28
27
12-6-0
3.39
入来智
34
24
10-3-0
2.85
前田浩継
25
28
7-10-0
3.93
高津臣吾
33
52
0-4-37
2.61
  • 年齢は満年齢


表彰選手

日本シリーズ表彰
最高殊勲選手
古田敦也
優秀選手賞
石井一久
優秀選手賞
岩村明憲
優秀選手賞
真中満
セ・リーグ表彰
最優秀選手
ペタジーニ
最多勝利
藤井秀悟(初)
最優秀救援投手
高津臣吾(3回)
最多本塁打
ペタジーニ(2回)
最多打点
ペタジーニ(初)
最高出塁率
ペタジーニ(2回)
ベストナイン(投手)
藤井秀悟(初)
ベストナイン(捕手)
古田敦也(8回)
ベストナイン(内野手)
ペタジーニ(3回)
ベストナイン(外野手)
稲葉篤紀(初)
特別賞
最優秀監督賞
若松勉
ゴールデン・グラブ賞(捕手)
古田敦也(9回)
ゴールデン・グラブ賞(内野手)
ペタジーニ(2回)
ゴールデン・グラブ賞(内野手)
岩村明憲(2回)
ゴールデン・グラブ賞(内野手)
宮本慎也(4回)
最優秀MEP賞
藤井秀悟(初)
月間MVP(4月度・野手部門)
ペタジーニ
月間MVP(5月度・野手部門)
ペタジーニ
月間MVP(6月度・投手部門)
入来智
月間MVP(8月度・投手部門)
高津臣吾
最優秀バッテリー賞
藤井秀悟-古田敦也
会長特別賞・スピードアップ賞
稲葉篤紀(2回)
会長特別賞
宮本慎也


2002年
2月1日~25日
第3回浦添キャンプ
2月1日~9日
神宮キャンプ(ファーム)
2月10日~3月4日
宮崎県西都市西都ファームキャンプ
4月28日
高津臣吾投手が、対阪神6回戦(甲子園)の9回裏の1イニングを無失点に抑え、通算200セーブを達成(プロ2人目)
5月4日
古田敦也捕手が、対中日6回戦(神宮)に出場し、通算1,500試合出場を達成(プロ135人目)
7月6日
ラミレス外野手が、対広島11回戦(広島)で満塁・3ランを含む9打点をあげ、1試合9打点のチーム新記録を達成。
8月15日
ペタジーニ内野手が、対巨人22回戦(東京ドーム)の1回表、入来祐作投手から史上122人目の通算150号本塁打を達成(496試合目での達成は歴代6位のスピード記録)
10月
古田敦也捕手が打率.300でシーズンを終え、通算7度目の3割を達成。この記録は、野村克也前監督の6度を抜き、捕手ではプロ野球最多記録。
10月
ペタジーニ内野手が、今年も打率.322、41本塁打を達成し、4年連続3割・30本を達成。外国人の中では84~87年のブーマー(阪急)に次ぎ2人目だが,来日1年目からの記録となると史上初。
11月
石井弘寿投手が、金田正一投手を超える球団史上最多の69試合に登板し,防御率1.51の好成績を収め,最優秀中継ぎ投手に選ばれる。
11月
石川雅規投手が、12勝9敗の成績で、球団史上7人目の新人王を獲得。
11月6日~21日
秋季キャンプ(宮崎県西都市)

ホッジス最多勝、石川が新人王に
先発陣の柱であった石井一久がポスティングでメジャーリーグに移籍。だが、前年のリーグ最多勝・藤井秀悟の好投で開幕の中日戦に勝つと、そこから3連勝の好スタートを切った。4月4日の広島戦では、ドラフト自由獲得枠で入団したルーキー・石川雅規が初先発初勝利。11日からの4連敗はあったものの、28日の阪神戦では高津臣吾が史上2人目の通算200セーブを達成するなど、3、4月は13勝13敗の五分で乗り切った。

5月は5日からの4連勝もあり、12勝9敗と勝ち越し。28日の首位・巨人との直接対決をホッジスから石井弘寿、高津とつなぐ鉄壁のリレーでモノにすると、翌29日の同カードはラミレスの2ランでサヨナラ勝ち。この時点で、3位ながら首位に2ゲーム差まで詰め寄った。

さらに6月は、ホッジス、藤井、石川と2年目の坂元弥太郎を先発でフル回転させ、10勝6敗で2位に浮上。ホッジスは4勝0敗で月間MVPに輝いた。7月6日の広島戦ではラミレスが球団新記録の1試合9打点をたたき出すなど、前半戦はそのまま2位ターン。ところが球宴明けにいきなり3連敗すると、7月24日からの6連敗で一時は4位に後退した。

8月13日には巨人にマジック34が点灯し、連覇の夢は断たれたかに見えたが、16日の阪神戦から怒涛の快進撃を見せる。この試合で山部太が4ヶ月ぶりの勝利投手になると、翌17日の同カードでは足を痛めた古田敦也の代わりにマスクをかぶった3年目の米野智人が、11回裏にサヨナラ打。これで勢いに乗り、30日の阪神戦まで1分けを挟み破竹の11連勝で、巨人とのゲーム差を5.5まで縮めた。

しかし、その反動からか9月は失速。巨人をとらえることはできなかったものの、最後まで2位の座をキープして2年連続のAクラス入りを果たした。ホッジスは上原浩治(巨人)と並ぶ17勝で、最多勝を獲得。12勝を挙げた石川は新人王に輝いた。また、五十嵐亮太との中継ぎコンビで「ロケットボーイズ」として売り出した石井弘は球団新の69試合に登板するなどフル回転し、最優秀中継ぎ投手に選ばれた。

打線ではペタジーニが、タイトルには届かなかったものの、打率.322(リーグ3位)、41本塁打(同2位)、94打点(同2位)の大活躍。岩村明憲の打率.320(リーグ4位)、23本塁打も光った。なお、チーム一筋に19年プレーして、球団史上最多の304本塁打を放った池山隆寛が、このシーズンをもって現役を引退した。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
読売ジャイアンツ
140
86
52
2
.623
2
ヤクルトスワローズ
140
74
62
4
.544
11.0
3
中日ドラゴンズ
140
69
66
5
.511
15.5
4
阪神タイガース
140
66
70
4
.485
19.0
5
広島東洋カープ
140
64
72
4
.471
21.0
6
横浜ベイスターズ
140
49
86
5
.363
35.5

主なラインナップ(監督:若松勉)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(中)
真中満
31
.248
4
25
2(遊)
宮本慎也
32
.291
5
25
3(右)
稲葉篤紀
30
.266
10
39
4(一)
ペタジーニ
31
.322
41
94
5(捕)
古田敦也
37
.300
9
60
6(三)
岩村明憲
23
.320
23
71
7(左)
ラミレス
28
.295
24
92
8(二)
城石憲之
29
.248
8
28
9(投)
※先発投手
小野公誠
28
.225
4
11
土橋勝征
34
.220
1
10
佐藤真一
37
.227
4
20
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
ホッジス
29
32
17-8-0
3.41
石川雅規
22
29
12-9-0
3.33
藤井秀悟
25
28
10-9-0
3.08
五十嵐亮太
23
64
8-2-4
2.08
高津臣吾
34
44
0-2-32
3.89
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
最優秀新人
石川雅規
最多勝利
ホッジス(初)
最優秀中継ぎ投手
石井弘寿(初)
ベストナイン(一塁手)
ペタジーニ(4回)
ベストナイン(三塁手)
岩村明憲(初)
特別賞
ゴールデン・グラブ賞(一塁手)
ペタジーニ(3回)
ゴールデン・グラブ賞(三塁手)
岩村明憲(3回)
ゴールデン・グラブ賞(遊撃手)
宮本慎也(5回)
月間MVP(6月度・投手部門)
ホッジス
スピードアップ賞
石川雅規(初)
ゴールデンルーキー賞
石川雅規(初)
ゴールデンスピリット賞
飯田哲也(初)


2003年
2月1日~24日
第4回浦添キャンプ
2月1日~9日
神宮キャンプ(ファーム)
2月10日~3月2日
宮崎県西都市西都ファームキャンプ
2月26日
桑原潤前オーナーが逝去される。
3月20日
新オーナーに堀澄也氏が就任。
4月4日
古田敦也捕手、対阪神1回戦(大阪ドーム)の9回表、ウィリアムス投手から右中間にツーベースを放ち通算300二塁打を達成(プロ40人目)
4月16日
宮本慎也内野手、対阪神5回戦(神宮)の6回裏、藤田投手から送りバントを成功させ、通算200犠打を達成(プロ22人目)
4月23日
高津臣吾投手、対巨人3回戦(東京ドーム)にて、通算230セーブの日本新記録を達成。
5月6日
鈴木健内野手、対巨人6回戦(神宮)の初回、桑田投手から本塁打を放ち、通算150本塁打を達成(プロ125人目)
5月9日
対広島6回戦(広島)を9-1で完勝し、若松監督が監督通算300勝を達成。尚、この試合に先発し、6回を無失点と好投した佐藤秀樹投手が、96年8月16日対阪神戦以来、7年ぶりの白星をあげる。
6月12日
稲葉篤紀外野手、対巨人13回戦(東京ドーム)の2回表、桑田投手から本塁打を放ち、通算100本塁打を達成(プロ128人目)
6月20日
高津臣吾投手、対横浜12回戦(神宮)にて、通算270セーブポイントの日本新記録を達成と同時に、通算500試合登板を達成(プロ71人目)
6月28日
古田敦也捕手、対広島14回戦(広島)で、プロ野球タイ記録となる1試合4ホーマーを放つ(プロ5人目)セ・リーグでは39年ぶりの快挙。尚、第2打席に四球を挟んでの4打数連続本塁打も、史上17人目のプロ野球タイ記録。この試合で、他に3本塁打も含め計7本塁打は、23年ぶりの球団タイ記録。
7月1日
稲葉篤紀外野手、対横浜15回戦(松本)にてサイクルヒットを記録(プロ56人目)。5回での達成はプロ最速。
9月7日
高津臣吾投手、対中日25回戦(ナゴヤドーム)で、今季30セーブを挙げ、プロ野球新記録となる3年連続30セーブを達成。通算4度目の30セーブ以上もプロ野球初。
9月28日
宮本慎也内野手、対横浜28回戦(横浜)において、通算1,000試合出場を達成(プロ389人目)
11月4日~21日
秋季キャンプ(宮崎県西都市)

ラミレス2冠、高津はセーブ&SP日本新!
来日から4年間で160本塁打を放ち、ホームラン王に2度輝いたペタジーニが退団して巨人入り。開幕前には攻守の要の古田敦也が右手を亀裂骨折するアクシデントもあったが、その古田は広島との開幕戦にスタメンマスクで出場。ところがこの試合で五番の岩村明憲が右手首を痛めると、2001年の最多勝・藤井秀悟は4月2日の中日戦で左ヒジじん帯を断裂するなど、出だしから投打の主力が長期の離脱を強いられた。

そんなチームを救ったの新戦力たちだった。広島に連敗して迎えた開幕第3戦、オフに西武から獲得した鈴木健が移籍後初アーチの先制弾を含む3打点を叩き出すと、投げては前年途中にオリックスから移籍してきた戎信行の好投で快勝。続く4月1日の中日戦では新外国人・ベッツが逆転2ランを放ち、勝敗を五分に戻した。

開幕直前に獲得したベバリンも、13日の横浜戦を皮切りに4月だけで3勝を挙げたが、何よりも大きかったのが新四番・ラミレスの働きだった。4月は打率.362に加え、いずれもリーグトップの10本塁打、33打点で月間MVPを獲得。主砲のバットに引っ張られ、チームは4月末の時点で首位・阪神に2ゲーム差の2位につけた。5月には、テスト入団の佐藤秀樹(前西武)が9日の広島戦で7年ぶりの白星を手にすると、そこから3連勝。ベバリンも4月に続いて3勝したが、前年の最多勝・ホッジスが3連敗と苦しみ、4位が定位置となった。

6月に入ると11日の巨人戦に2番手で登板したドラフト1位ルーキーの高井雄平が、待望のプロ初勝利。28日の広島戦では古田が史上5人目の1試合4本塁打と大爆発した。ここから4連勝で2位に浮上し、前半戦を貯金6の2位で折り返したが、その時点で14.5ゲームの大差をつけられていた首位・阪神を捕らえるのは至難の業だった。後半戦は中日、巨人とAクラス争いを繰り広げ、シーズン最後の2試合に連勝して巨人と同率の3位。3年連続Aクラスは球団史上でも2度目のことだった。

シーズン最終戦でタイロン・ウッズ(横浜)と並ぶ40号を放ったラミレスは、本塁打と打点の2冠に加え、最多安打のタイトルも獲得。岩村のケガで五番に定着した鈴木は打率.317(リーグ5位)、20本塁打でカムバック賞に輝いた。投げては石川雅規が2年連続で12勝したのが唯一の2ケタ勝利で、出足は良かったベバリンは8月に右ヒジ痛を発症して8勝どまり。守護神・高津臣吾が4月23日の巨人戦で通算230セーブ、6月20日の横浜戦で通算270セーブポイントをマークし、いずれも日本新記録を樹立。3年連続30セーブ到達も史上初の快挙となった。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
阪神タイガース
140
87
51
2
.630
2
中日ドラゴンズ
140
73
66
1
.525
14.5
3
読売ジャイアンツ
140
71
66
3
.518
15.5
3
ヤクルトスワローズ
140
71
66
3
.518
15.5
5
広島東洋カープ
140
67
71
2
.486
20.0
6
横浜ベイスターズ
140
45
94
1
.324
42.5

主なラインナップ(監督:若松勉)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(中)
真中満
32
.293
6
48
2(遊)
宮本慎也
33
.284
7
44
3(一)
ベッツ
30
.287
15
52
4(左)
ラミレス
29
.333
40
124
5(三)
鈴木健
33
.317
20
95
6(捕)
古田敦也
38
.287
23
75
7(右)
稲葉篤紀
31
.273
11
30
8(二)
土橋勝征
35
.302
6
27
9(投)
※先発投手
城石憲之
30
.261
5
28
岩村明憲
24
.263
12
35
佐藤真一
38
.277
4
31
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
石川雅規
23
30
12-11-0
3.79
ベバリン
30
19
8-4-0
4.08
石井弘寿
26
36
6-1-1
1.99
鎌田祐哉
25
30
6-7-0
3.21
高津臣吾
35
44
2-3-34
3.00
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
最優秀救援投手
高津臣吾(4回)
最多本塁打
ラミレス(初)
最多打点
ラミレス(初)
最多安打
ラミレス(初)
ベストナイン(三塁手)
鈴木健(2回)
ベストナイン(外野手)
ラミレス(初)
サイクルヒット
稲葉篤紀
特別賞
ゴールデン・グラブ賞(遊撃手)
宮本慎也(6回)
月間MVP(4月度・野手部門)
ラミレス
カムバック賞
鈴木健
会長特別賞
高津臣吾
(通算セーブおよび通算SPプロ野球新記録達成)
会長特別賞
古田敦也
(1試合4本塁打(4打数連続)のプロ野球タイ記録)


2004年
2月1日~3月1日
第5回浦添キャンプ
2月1日~7日
神宮キャンプ(ファーム)
2月9日~3月1日
宮崎県西都市西都ファームキャンプ
5月3日
対中日2回戦(神宮)の2回裏、7番・稲葉篤紀外野手から6番・古田敦也捕手まで9連続安打を放つ、四死球、犠打を挟まない9打席連続安打は8年ぶり6度目のプロ野球タイ記録、2死からとなると、プロ野球史上2度目の快挙。
6月5日
ラミレス外野手が、対巨人10回戦(神宮)の9回裏、岡島投手から本塁打を放ち通算100本塁打を達成(プロ234人目)
6月17日
岩村明憲内野手が、対阪神13回戦(大阪ドーム)の1回表、藪投手から先制2ランを放ち通算100本塁打を達成(プロ235人目)また、この試合で宮本慎也内野手が、3回表、投手前に送りバントを決め、通算250犠打を達成(プロ9人目)
6月23日
宮本慎也内野手が、対横浜12回戦(神宮)の8回裏、デニー友利投手から左前安打を放ち通算1,000本安打を達成(プロ221人目)
6月29日
古田敦也捕手が、対横浜14回戦(仙台)の9回表、土居投手から本塁打を放ち通算200号本塁打を達成(プロ80人目)捕手の200本塁打は28年ぶり4人目の快挙。
7月16日
真中満外野手が、対巨人14回戦(東京ドーム)の8回表に代打で出場し、通算1,000試合出場を達成(プロ395人目)
8月3日
鈴木健内野手が、対巨人17回戦(神宮)に先発出場し、通算1,500試合出場を達成(プロ141人目)
8月11日
土橋勝征内野手が、対広島18回戦(神宮)の5回裏、広池投手から左前安打を放ち通算1,000本安打を達成(プロ224人目)
9月9日
稲葉篤紀外野手が、対阪神23回戦(甲子園)に先発出場し、通算1,000試合出場を達成(プロ398人目)
9月18日~19日
選手会によるストライキのため、プロ野球史上初めて12試合が中止となり、対阪神戦(神宮)の2試合が中止となる。
9月25日
古田敦也捕手が、対広島27回戦(広島)の6回表、小山田投手から本塁打を放ち通算3,000塁打を達成(プロ38人目)
10月15日
岩村明憲内野手が、対横浜27回戦(神宮)の3回裏、秦投手から左中間に今季44号本塁打を放ち、'99年にペタジーニ内野手が記録した球団最多記録に並ぶ。
10月16日
五十嵐亮太投手が今季最終戦となる対横浜28回戦(横浜)で37セーブ目を挙げ、01年に高津臣吾投手が記録した球団最多記録に並ぶ。また今季42セーブポイントは球団新、自身初の最優秀救援投手のタイトルを獲得。
10月
川島亮投手が10勝4敗の成績で、球団史上8人目の新人王を獲得。
11月4日~21日
秋季キャンプ(愛媛県松山市)

川島新人王、球団初の4年連続Aクラス
長年にわたって守護神としてブルペンを支えてきた高津臣吾が、オフにFAでメジャー移籍。だが、横浜との開幕戦で五十嵐亮太がセーブを挙げると、続く第2戦では石井弘寿がセーブと、開幕早々に「ロケットボーイズ」がダブルストッパーとしてその穴を埋めてみせた。

ところが、開幕3連勝と絶好のスタートを切った石堂克利以外の先発陣がなかなか踏ん張りきれず、4月は借金3つ。5月は3日の中日戦で9者連続安打のプロ野球タイ記録(当時)を作るなど20対7と大勝したが、直後の石井の故障離脱が響いて負け越し。月末の時点では最下位に沈んでいた。

ようやく上昇気流に乗ったのは6月。来日2年目で開幕投手を務めたベバリンが無傷の5勝で月間MVPに輝くと、ルーキーの川島亮も3勝をマーク。岩村明憲が打率.341、11本塁打の猛打で打線をけん引し、シーズン初の月間勝ち越しを記録した。

これで4位まで浮上しながら、借金完済まで1勝と迫った7月7日の中日戦からオールスターを挟んで5連敗。嫌なムードになりかけたところで、5月に左ヒジの手術から復活したばかりの藤井秀悟が連敗をストップすると、23日からの6連勝で借金を完済し、4月7日以来の貯金を作った。さらに続く31日の中日戦では五十嵐が20セーブ目を挙げ、連勝を7に伸ばした。

投手陣にやや疲れが見え初めた8月も、打線の爆発で3ヶ月連続の勝ち越し。11本塁打、27打点で初の月間MVPに選ばれた岩村を筆頭にラミレス8本、古田敦也7本と中軸がアーチを量産し、一時は首位・中日に4.5ゲーム差まで詰め寄った。9月2日からの5連敗で逆転優勝は絶望的となったものの、23、24日の連勝で2位に進出。そのまま巨人との争いを制して2位を確保し、球団史上初の4年連続Aクラスでシーズンを終えた。

両リーグの新人で唯一の2ケタ勝利となる10勝を挙げた川島は、2002年の石川雅規以来球団史上8人目の新人王を獲得。その石川はチーム最多の11勝でプロ入り以来3年連続2ケタ勝利をマークし、五十嵐は球団新の42セーブポイントで最優秀救援投手に輝いた。

打っては不動の三番打者に成長した岩村が2年ぶりの打率3割に加え、44本塁打で球団タイを樹立。四番・ラミレスは前年に続いて打率3割、30本塁打、100打点をクリアし、古田、宮本慎也も打率3割をマークした。また、ファームではドラフト4巡目のルーキー、青木宣親がイースタン・リーグ首位打者に輝いた。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
中日ドラゴンズ
138
79
56
3
.585
2
ヤクルトスワローズ
138
72
64
2
.529
7.5
3
読売ジャイアンツ
138
71
64
3
.526
8.0
4
阪神タイガース
138
66
70
2
.485
13.5
5
広島東洋カープ
138
60
77
1
.438
20.0
6
横浜ベイスターズ
138
59
76
3
.437
20.0

主なラインナップ(監督:若松勉)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(中)
真中満
33
.272
4
20
2(遊)
宮本慎也
34
.301
11
26
3(三)
岩村明憲
25
.300
44
103
4(左)
ラミレス
30
.305
31
110
5(一)
鈴木健
34
.289
15
65
6(捕)
古田敦也
39
.306
24
79
7(右)
稲葉篤紀
32
.265
18
45
8(二)
土橋勝征
36
.315
9
34
9(投)
※先発投手
城石憲之
31
.213
4
22
志田宗大
25
.251
3
10
マーチン
28
.241
6
18
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
石川雅規
24
27
11-11-0
4.35
川島亮
23
23
10-4-0
3.17
ベバリン
31
22
9-11-0
4.42
石堂克利
24
16
6-7-0
6.93
五十嵐亮太
25
66
5-3-37
2.66
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
最優秀新人
川島亮
最優秀救援投手
五十嵐亮太(初)
ベストナイン(捕手)
古田敦也(9回)
特別賞
ゴールデン・グラブ賞(捕手)
古田敦也(10回)
ゴールデン・グラブ賞(三塁手)
岩村明憲(4回)
月間MVP(6月度・投手部門)
ベバリン
月間MVP(7月度・投手部門)
五十嵐亮太
月間MVP(8月度・野手部門)
岩村明憲
月間MVP(9月度・野手部門)
ラミレス

2005年
2月1日~28日
第6回浦添キャンプ
2月1日~6日
神宮キャンプ(ファーム)
2月7日~3月1日
宮崎県西都市西都ファームキャンプ
4月6日
対中日2回戦(神宮)で、藤井秀悟、石井弘寿、五十嵐亮太の3投手でセ・リーグ新記録の19奪三振を記録。なおこの試合で、古田敦也捕手が、捕手ゲーム19刺殺のセ・リーグ新記録も合わせて記録。
4月19日
古田敦也捕手が、対横浜3回戦(神宮)の4回裏、吉川投手から2塁打を放ち、通算350本2塁打を達成(プロ24人目)
4月24日
古田敦也捕手が、対広島5回戦(松山)の6回裏、大竹投手から左翼線2塁打を放ち、通算2,000本安打を達成(プロ32人目)、チーム生え抜きでは現監督の若松勉外野手に次ぐ2人目、捕手でも前監督の野村克也捕手に次ぐプロ2人目、大学→社会人からプロ入りした選手では史上初の快挙。
5月6日
プロ野球史上初のセ・パによる交流戦が開幕、ホーム・ビジターで3試合づつ、計216試合が開催された。
6月7日
真中満外野手が、交流戦・対西武3回戦(西武ドーム)の8回表、長田投手から左翼に2塁打を放ち通算1,000本安打を達成(プロ233人目)
6月19日
セ・パによる交流戦が閉幕、チームは20勝16敗で12球団中5位、個人では石井弘寿投手が期間中最多の10セーブ、青木宣親内野手が55安打で最多安打をそれぞれ記録。
8月6日
対巨人12・13回戦(神宮)で史上14度目(プロ野球タイ)の2試合連続毎回安打を達成。なお、この2試合でリグス内野手が、球団タイ記録の8打席連続安打を記録。1978年のマニエル以来、27年ぶり。
8月7日
対巨人3連戦を3連勝で飾り、一昨日からのチーム連続安打を23イニングまで伸ばし、連続安打のプロ野球新記録を達成。8回に無安打に抑えられ、惜しくもプロ野球史上初の、3試合連続毎回安打は逃す。
8月19日
ラミレス外野手が、対阪神15回戦(神宮)の初回に下柳投手から、左翼に先制2ランを放ち、通算150本塁打を達成(プロ137人目)
8月31日
岩村明憲内野手が、対巨人16回戦(大阪ドーム)の5回にミヤディッチ投手から、右翼にソロホームランを放ち、通算150本塁打を達成(プロ138人目)
10月5日
古田敦也捕手が、対中日21回戦(神宮)の8回に高橋聡投手から、代打で左翼安打を放ち、通算1,000打点を達成(プロ27人目)
10月6日
青木宣親外野手が、対中日22回戦(神宮)の1回裏、佐藤投手から左前安打を放ち今季の通算安打を193本とし、セ・リーグのシーズン最多安打を達成。
10月11日
青木宣親外野手が、対横浜21回戦(神宮)の1回裏、門倉投手から右前安打を放ちプロ野球史上2人目の200本安打を達成。
10月14日
全日程が終了、青木宣親外野手はセ・リーグ最多安打を202本に伸ばし、新人王、首位打者、最多安打、ベストナインの連盟表彰の他、シーズン165単打、マルチ安打62回のセ・リーグ新記録をそれぞれ達成。
10月18日
来季監督に古田敦也捕手が正式決定、野村克也捕手以来29年ぶりの選手兼任監督となる。
11月3日~22日
秋季キャンプ(愛媛県松山市)

青木が首位打者&新人王、古田は名球会入り
開幕戦は3年ぶりに本拠地・神宮を離れ、大阪ドームで阪神と対戦。岩村明憲とラミレスの三・四番コンビでチームの全得点を叩き出すと、投げては入団4年目にして初の開幕投手を託された石川雅規から、石井弘寿、五十嵐亮太の「ロケットボーイズ」につなぐリレーで快勝。5年連続のAクラス入り、そして4年ぶりの優勝に向けて幸先のいいスタートを切った。

ところが翌日からは、期待の坂元弥太郎、高井雄平が打ち込まれるなど4連敗。その後もなかなか先発投手に白星がつかず、苦しい状況が続いた。4月24日、松山で行われた広島戦で、古田敦也が大学、社会人を経てプロ入りした選手では史上初の通算2000安打を達成。すると、この試合から6連勝で借金を完済。直後に5連敗を喫するも、この年からスタートしたパ・リーグとの交流戦が追い風となった。

5月9日の福岡ソフトバンク戦から7連勝を飾ると、28日の北海道日本ハム戦から今度は5連勝で、6月1日には首位に浮上。2年目の青木宣親が両リーグ最多の55安打を放ち、打率.382をマークするなど若い力が躍動し、初の交流戦を20勝16敗の5位で終えた。

しかし、7月は7勝12敗と負け越すと、8月は青木が打率.419と打ちまくって月間MVPに輝くなど15勝10敗と巻き返すも、9月は再び負けが込んで4位に転落。10月11日の横浜戦で青木が1994年のイチロー(オリックス)以来、史上2人目となるシーズン200安打を達成したが、最後は3位の横浜に0.5ゲーム差及ばず、5年ぶりのBクラスに終わった。

青木は202安打、打率.344で首位打者を獲得し、新人王も受賞。岩村は2年連続で打率3割、30本塁打、100打点をクリアし、ラミレスは3年連続で30本塁打&100打点を達成。投手から野手に転向して4年目の宮出隆自は、後半戦はクリーンアップの一角を担うなど、規定打席未満ながら打率.320、8本塁打をマークした。

投手陣では石川が10勝を挙げ、プロ入り以来4年連続の2ケタ勝利。藤井秀悟も10勝で3年ぶりの2ケタ勝利。前年の右ヒジ手術から復帰し、4月27日の巨人戦でプロ初勝利をマークした館山昌平も10勝で、石川、藤井とともにチームの勝ち頭となった。また、五十嵐の不調でシーズン途中から抑えに回った石井が、2001年の高津臣吾、前年の五十嵐と並ぶ、37セーブの球団タイ記録を樹立した。

1999年からチームを率いてきた若松勉監督が、このシーズンを最後に退任。名球会入りを果たした古田が、現役兼任で新監督に就任することが決まった。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
阪神タイガース
146
87
54
5
.617
2
中日ドラゴンズ
146
79
66
1
.545
10.0
3
横浜ベイスターズ
146
69
70
7
.496
17.0
4
ヤクルトスワローズ
146
71
73
2
.493
17.5
5
読売ジャイアンツ
146
62
80
4
.437
25.5
6
広島東洋カープ
146
58
84
4
.408
29.5

主なラインナップ(監督:若松勉)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(中)
青木宣親
23
.344
3
28
2(遊)
宮本慎也
35
.265
7
47
3(三)
岩村明憲
26
.319
30
102
4(左)
ラミレス
31
.282
32
104
5(右)
宮出隆自
28
.320
8
46
6(一)
リグス
33
.306
14
44
7(捕)
古田敦也
40
.258
5
33
8(二)
城石憲之
32
.256
2
30
9(投)
※先発投手
鈴木健
35
.252
6
32
土橋勝征
37
.259
3
14
真中満
34
.302
5
28
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
藤井秀悟
28
28
10-12-0
3.43
石川雅規
25
26
10-8-0
4.87
館山昌平
24
25
10-6-0
3.95
川島亮
24
20
9-10-0
2.81
石井弘寿
28
61
4-3-37
1.95
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
最優秀新人
青木宣親
首位打者
青木宣親(初)
最多安打
青木宣親(初)
ベストナイン(外野手)
青木宣親(初)
特別賞
ゴールデン・グラブ賞(三塁手)
岩村明憲(5回)
月間MVP(8月度・野手部門)
青木宣親


2006年
1月11日
球団名称をヤクルトスワローズから、東京ヤクルトスワローズに変更する。
2月1日~3月3日
第7回浦添キャンプ
2月1日~8日
神宮キャンプ(ファーム)
2月9日~3月2日
宮崎県西都市西都キャンプ(ファーム)
3月22日
ヤクルトホールに、ファン・マスコミを集め新ユニホーム(BEAMSデザイン)を発表。
4月1日
ルーキーの武内晋一内野手が、対阪神2回戦(神宮)の6回裏、安藤投手から右中間へ同点3ランを放ち、初出場・初安打を本塁打で飾る、ルーキーの初出場・初本塁打は小野公誠捕手以来、9年ぶり。
5月23日
交流戦・対東北楽天4回戦(神宮)を13-4で完勝、この試合で交流戦での首位を奪還するとともに、5月に入り2ケタ得点が7度目となり、月間2ケタ得点のセ・リーグ新記録を達成。
5月25日
ガトームソン投手が、交流戦・対東北楽天5回戦(神宮)で、プロ72人目のノーヒット・ノーランを記録。
6月4日
古田敦也捕手が、交流戦・対オリックス6回戦(神宮)の7回裏、リグス内野手の16号3ランで12点目のホームを踏み、通算1,000得点を達成(プロ33人目)
7月17日
岩村明憲内野手が、対広島10回戦(神宮)の7回裏、佐竹投手から右前安打を放ち通算1,000本安打を達成(プロ242人目)
9月7日
石川雅規投手が、対中日17回戦(ナゴヤドーム)で6回を3失点に抑え10勝目をあげ、入団から5年連続2ケタ勝利を達成(プロ5人目)
10月4日
青木宣親外野手が、対阪神21回戦(神宮)で、3回裏に安藤投手から右前安打を放ち、2年連続180本以上安打を達成(プロ2人目、セ・リーグ初)
10月7日
高津臣吾投手が、対広島20回戦(神宮)の9回表に登板し無失点に抑え今季13セーブを記録し、日米通算300セーブを達成。
10月10日
対広島22回戦(神宮)の5回裏、先頭リグスから1番青木まで9者連続安打を放ち、1イニング連続安打(四死球・犠打を挟まない)のセ・リーグタイ記録を達成。なお、この回は11安打を集め、1イニング11安打は1978年5月12日対横浜大洋戦以来の球団タイ記録。
11月5日~22日
秋季キャンプ(愛媛県松山市)

古田兼任監督誕生、強力打線でAクラス復帰
プロ野球29年ぶりの選手兼任監督として、古田敦也監督が初めて指揮を執ったシーズン。石井一久、高津臣吾がメジャーリーグから復帰し、前マリナーズの木田優夫、前広島のラロッカを獲得するなど、オフには積極的な補強を施した。

リグス、ラミレス、ラロッカの「F-ブラザーズ」がクリーンアップに座る新打線で臨んだ阪神との開幕戦。ラミレスのホームランなどで序盤からリードすると、2年連続開幕投手の石川雅規から木田、五十嵐亮太の継投で快勝。翌日はルーキー・武内晋一の3ランで追いつき、最後はリグスの押し出し四球でサヨナラ勝ちを収め、連勝を飾った。

直後に4連敗を喫するなど4月は負け越したものの、5月からの交流戦がまたしても追い風となった。本拠地・神宮に西武を迎えた交流戦初戦、ラロッカが3打席連続アーチを放って10対8で乱打戦を制すると、翌日の第2戦はラロッカの2ホーマーに加えラミレス、リグスにも一発が飛び出して2試合連続2ケタ得点で連勝。3戦目も岩村明憲の2本塁打を含む5ホーマーで14対3と圧勝し、いきなり3タテした。

その勢いで借金を完済し、5月25日の東北楽天戦でガトームソンがノーヒットノーランを達成して貯金生活に突入。この5月は二番に移ったリグスが打率.324、12本塁打で月間MVPに輝くなど、16勝9敗と大きく勝ち越した。しかし、交流戦優勝にはわずかに届かず、6月は11勝13敗と負け越すと、7月も五分で乗り切るのが精一杯。3位浮上後はなかなか上位との差を縮められず、最後は勝率5割を切ったものの、2年ぶりにAクラスを確保してシーズンを終えた。

前年の首位打者・青木宣親はこの年もリーグ3位の打率.321と打ちまくり、41盗塁で盗塁王のタイトルを獲得。岩村は3年連続で打率3割&30本塁打をマークし、ラミレスは4年連続で100打点を突破。ラロッカ18本塁打、リグス39本塁打と、青木、ラミレスも含め2ケタ本塁打は5人を数え、チーム本塁打161本は両リーグNo.1となった。

投手陣では日本球界復帰の石井一が11勝でチームトップ。石川がプロ入り以来5年連続2ケタ勝利の10勝でこれに続いた。石井弘寿が開幕前のWBCで左肩を痛め、五十嵐も不調の救援陣では、こちらも日本復帰1年目の高津がチーム最多の13セーブ。シーズン終盤の10月7日には日米通算300セーブを達成した。

なお、古田兼任監督は5月2日の広島戦でサヨナラ安打を放ち、7月4日の同カードでは自らを代打で起用する「代打オレ」でファンを沸かせたものの、右肩痛もあってプロ入り以来最少の出場36試合にとどまった。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
中日ドラゴンズ
146
87
54
5
.617
2
阪神タイガース
146
84
58
4
.592
3.5
3
東京ヤクルトスワローズ
146
70
73
3
.490
18.0
4
読売ジャイアンツ
146
65
79
2
.451
23.5
5
広島東洋カープ
146
62
79
5
.440
25.0
6
横浜ベイスターズ
146
58
84
4
.408
29.5

主なラインナップ(監督:古田敦也)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(中)
青木宣親
24
.321
13
62
2(一)
リグス
34
.294
39
94
3(三)
岩村明憲
27
.311
32
77
4(左)
ラミレス
32
.267
26
112
5(二)
ラロッカ
34
.285
18
63
6(右)
宮出隆自
29
.275
9
59
7(遊)
宮本慎也
36
.304
2
34
8(捕)
米野智人
24
.235
7
37
9(投)
※先発投手
古田敦也
41
.244
0
8
田中浩康
24
.266
5
22
真中満
35
.238
1
15
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
石井一久
33
28
11-7-0
3.44
石川雅規
26
29
10-10-0
4.53
ガトームソン
29
25
9-10-0
2.85
ゴンザレス
28
17
9-7-0
3.15
高津臣吾
38
48
1-2-13
2.74
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
最多盗塁
青木宣親(初)
最多安打
青木宣親(2回)
ベストナイン(三塁手)
岩村明憲(2回)
ベストナイン(外野手)
青木宣親(2回)
特別賞
ゴールデン・グラブ賞(三塁手)
岩村明憲(6回)
ゴールデン・グラブ賞(外野手)
青木宣親(初)
月間MVP(5月度・野手部門)
リグス
月間MVP(8月度・野手部門)
リグス

2007年
2月1日~3月3日
第8回浦添キャンプ
2月1日~9日
神宮キャンプ(ファーム)
2月10日~3月2日
宮崎県西都市西都キャンプ(ファーム)
3月20日
球団社長に鈴木正氏が就任。
4月19日
古田敦也監督兼任捕手が、対横浜3回戦(神宮)に出場し、通算2,000試合出場を達成(プロ37人目)捕手としてはプロ野球5人目の快挙。
4月21日
ラミレス外野手が、対中日5回戦(神宮)の3回、吉見投手から左前安打を放ち、通算1,000本安打を達成(プロ244人目)出場854試合での達成は史上9位のスピード。
5月17日
石井一久投手が、対中日8回戦(ナゴヤドーム)の3回裏、小笠原投手から三振を奪い、通算1,500奪三振を達成(プロ48人目)1,413イニングでの達成はプロ野球史上最速。
7月10日
青木宣親外野手が、対広島9回戦(神宮)で、8回裏に青木勇投手から左中間2塁打放ち、プロ入り通算500安打を達成したが、出場373試合での500安打達成はプロ野球最速。
7月11日
対広島10回戦(神宮)を11回裏のラミレス外野手のサヨナラ本塁打で2年ぶりの7連勝を飾ったが、この試合で1試合8本塁打を記録し、球団新記録を達成。
8月19日
ラミレス外野手が、対巨人18回戦(東京ドーム)の4回表、金刃投手から18号本塁打を放ち、通算200号本塁打を達成(プロ89人目)
9月5日
石井一久投手が、対広島19回戦(神宮)の5回表、倉捕手を一邪飛に抑え、通算1,500回投球回数を達成(プロ159人目)
9月14日
ラミレス外野手が、対横浜16回戦(横浜)の2回表、山口投手から右翼線2塁打で今季100打点目を記録し、プロ野球史上3人目となる5年連続100打点を達成、外国人選手では初の快挙、なお、この試合先発のグライシンガー投手が今季15勝目を挙げ、来日1年目の15勝以上はプロ野球4人目。
9月15日
真中満外野手が、対横浜17回戦(横浜)の8回表、代打で出場し、寺原投手から三塁内野安打を放ち、今季27本目のプロ野球シーズン代打最多安打を達成。
9月17日
ガイエル外野手が、対中日21回戦(神宮)の1回裏、山井投手から右翼へ30号ソロ本塁打を放ち、9月13日の横浜戦から5試合連続本塁打の球団タイ記録を達成。
9月26日
ラミレス外野手が、対広島22回戦(広島)の9回表、横山投手から左翼越えにこの試合3本目の安打となる27号本塁打を放ち、今季の猛打賞が23度目のセ・リーグタイ記録を達成。
9月27日
ラミレス外野手が、対広島23回戦(広島)の1回表、黒田投手から左翼線タイムリー2塁打を放ち、今季の安打を193本として右打者及び外国人選手のプロ野球最多安打を達成、なお、この日の3回、8回も黒田投手から安打を放ち、昨日に続く連日の猛打賞で、24度目猛打賞のセ・リーグ新記録も同時に達成。
10月2日
9月の月間最優秀選手が発表され、ラミレス外野手が史上初の3ヶ月連続受賞。
10月5日
ラミレス外野手が、対横浜21回戦(神宮)の5回裏、三橋投手から3塁強襲安打を放ち、プロ野球3人目、また右打者では史上初となるシーズン200本安打を達成、なお、ラミレス外野手は今季リーグトップの121打点もマークしており、200本安打+100打点も史上初の快挙。
10月8日
ラミレス外野手が、対横浜23回戦(横浜)の1回表、三浦投手から左前安打を放ち、今季203安打目のセ・リーグ新記録を達成。
10月25日
新監督に高田繁氏が就任。
11月5日~21日
秋季キャンプ(愛媛県松山市)
12月6日
ヤクルトホールにファン・マスコミを集め、公開で新入団選手を発表。

21年ぶり最下位で古田兼任監督退団
岩村明憲がポスティング制度を利用してメジャーリーグ入りし、ラロッカ、ガトームソンも退団。五十嵐亮太、石井弘寿を故障で欠き、開幕直前には川島亮、ゴンザレスも離脱するなど、古田敦也兼任監督2年目のシーズンは逆風の中でのスタートとなった。

敵地・ナゴヤドームに乗り込んだ中日との開幕3連戦。6年ぶり開幕投手の石井一久が好投しながらも救援陣がつかまって初戦を落とすと、続く2試合も新外国人のグライシンガーと藤井秀悟が打たれて3連敗。4月3日の神宮・開幕戦も阪神に敗れ、開幕4連敗を喫した。

続く4月5日の阪神戦はラミレスの決勝弾でようやく初白星を挙げるも、その後も連勝することができず、4月末時点で借金5の最下位。この年から24試合制となった交流戦でも負け越し、6月30日にリーグ戦が再開された時には、借金14で首位・巨人に15ゲーム差をつけられていた。

しかし、7月の声を聞くとともにチームは快進撃を見せる。4日の阪神戦で藤井がおよそ2ヶ月ぶりの白星を挙げると、松岡健一、グライシンガー、館山昌平、石井一の各先発がこれに続き、10日の広島戦では再び藤井が勝利投手となって6連勝。翌11日の同カードは両軍合わせて12本のアーチが乱れ飛ぶ大乱打戦にラミレスのサヨナラ2ランでケリをつけ、7連勝で借金を6まで減らした。

ところがオールスターを挟んで5連敗すると、8月3日には自力3位が消滅。その後も最下位に落ちては這い上がりを繰り返し、10月初旬までは5位に踏ん張っていたが、5日からの4連敗で21年ぶりの最下位が決定。古田兼任監督は監督退任と同時に現役も引退し、7日の神宮・最終戦で「また会いましょう」の言葉を残してユニホームを脱いだ。

それでも打線は活発で、青木宣親が2度目の首位打者、ラミレスは2度目の打点王を獲得。ラミレスは3厘差で首位打者を逃したものの、右打者として史上初のシーズン200安打を達成した。また、新外国人のガイエルは本塁打王に1本差まで迫り、3年目の田中浩康は3割近い打率で正二塁手の座を不動のものに。15年目のベテラン、真中満は代打でシーズン31安打のプロ野球新記録を樹立した。

リーグワーストのチーム防御率にあえいだ投手陣にあっては、新外国人のグライシンガーが6月の月間MVPに選ばれるなど、リーグ最多の16勝と孤軍奮闘。だが、石井一は9勝どまりで、石川もプロ入り以来続けてきた2ケタ勝利がストップ。救援陣では五十嵐、石井弘の不在が大きく響いた。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
読売ジャイアンツ
144
80
63
1
.559
2
中日ドラゴンズ
144
78
64
2
.549
1.5
3
阪神タイガース
144
74
66
4
.529
4.5
4
横浜ベイスターズ
144
71
72
1
.497
9.0
5
広島東洋カープ
144
60
82
2
.423
19.5
6
東京ヤクルトスワローズ
144
60
84
0
.417
20.5

主なラインナップ(監督:古田敦也)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(中)
青木宣親
25
.346
20
58
2(二)
田中浩康
25
.295
5
51
3(左)
ラミレス
33
.343
29
122
4(右)
ガイエル
35
.245
35
79
5(一)
宮出隆自
30
.279
9
46
6(遊)
宮本慎也
37
.300
5
39
7(三)
飯原誉士
24
.246
8
32
8(捕)
福川将和
31
.224
7
29
9(投)
※先発投手
川本良平
25
.208
7
19
リグス
35
.217
3
19
真中満
36
.319
1
10
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
グライシンガー
32
30
16-8-0
2.84
石井一久
34
28
9-10-0
4.16
藤井秀悟
30
25
7-7-0
5.05
石川雅規
27
26
4-7-0
4.38
高津臣吾
39
25
0-5-13
6.17
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
首位打者
青木宣親(2回)
最多打点
ラミレス(2回)
最多安打
ラミレス(2回)
最高出塁率
青木宣親(初)
最多勝利
グライシンガー(初)
ベストナイン(二塁手)
田中浩康(初)
ベストナイン(外野手)
ラミレス(2回)
ベストナイン(外野手)
青木宣親(3回)
特別賞
ゴールデン・グラブ賞(外野手)
青木宣親(2回)
月間MVP(3、4月度・野手部門)
青木宣親
月間MVP(6月度・投手部門)
グライシンガー
月間MVP(7月度・野手部門)
ラミレス
月間MVP(8月度・野手部門)
ラミレス
月間MVP(9月度・野手部門)
ラミレス
特別功労賞
古田敦也
(永年、スワローズの正捕手として活躍し、リーグの発展に貢献)
特別賞
ラミレス
(セ・リーグのシーズン最多安打記録を更新)
スピードアップ賞
グライシンガー


2008年
2月1日~3月2日
第9回浦添キャンプ
2月1日~9日
神宮キャンプ(ファーム)
2月11日~3月2日
宮崎県西都市西都キャンプ(ファーム)
4月4日
対中日1回戦(ナゴヤドーム)を6-1で勝利し、開幕から7試合連続6得点以上のプロ野球新記録を達成。
5月29日
石川雅規投手が、交流戦・対北海道日本ハム2回戦(神宮)に先発、初回、高口内野手を投手前犠打でアウトにし、通算1,000投球回数を達成(プロ311人目)
6月15日
宮本慎也内野手が、交流戦・対北海道日本ハム4回戦(札幌ドーム)の5回、グリン投手から左前安打を放ち、通算1,500本安打を達成(プロ97人目)
6月28日
宮本慎也内野手が、対阪神10回戦(秋田)で、2番・三塁手で先発出場し、通算1,500試合出場を達成(プロ159人目)
7月17日
対阪神14回戦(甲子園)の9回表に、セ・リーグでは24年ぶり12度目の三重盗を含む1イニング6盗塁のセ・リーグ新記録をマーク、プロ野球では58年ぶり5度目、セ・リーグでは過去4回あった5盗塁を更新する新記録。
8月3日
オールスター後の初戦となる対広島12回戦(広島)を、川島亮-松岡-押本-林昌勇の4人の完封リレーで2-0の勝利を収め、球団通算3,500勝利を達成。
8月7日
飯原誉士外野手が、対中日14回戦(松山)で3安打猛打賞を記録し、8月4日の対広島13回戦から3試合連続猛打賞の球団タイ記録を達成。
9月26日
イースタンリーグ公式戦で、対埼玉西武最終戦に勝利し、1998年以来10年ぶり5回目の優勝を決める。
11月4日~20日
秋季キャンプ(愛媛県松山市)

高田監督就任、移籍の福地が盗塁王に
現役時代は巨人のV9戦士として鳴らし、引退後は日本ハムの監督、GMなどを歴任した高田繁が新監督に就任。オフに北海道日本ハムへ藤井秀悟、坂元弥太郎、三木肇を放出し、川島慶三、押本健彦、橋本義隆を獲得するトレードを敢行。ラミレス、グライシンガーが退団し、石井一久もFAで埼玉西武に移籍する一方で、その石井の人的補償として福地寿樹を獲得し、新外国人の林昌勇、リオスらを加えて新たなスタートを切った。

本拠地・神宮で迎えた開幕3連戦の相手は巨人。高田監督の古巣であり、退団したラミレス、グライシンガーの移籍先でもある因縁のチームを相手に、開幕戦はそのラミレスの緩慢な守備を積極走で突くなど、鮮やかな逆転勝利。続く第2戦は初回に3点を先制されながらも粘り強い攻撃でグライシンガーを攻めて追いつき、7回にガイエルの適時打などで勝ち越して連勝を飾った。

さらに第3戦も6、7回の集中打で巨人を一気に突き放して大勝。巨人を開幕3タテするのは国鉄時代の1958年以来、実に50年ぶりのことだった。その後の4連敗で首位からは滑り落ちたものの、4月末の時点で3位をキープ。開幕から5勝をマークした石川雅規が初の月間MVPに輝いた。

だが、5月に入ると打線が沈黙し、3日からの4連敗で5位に転落。交流戦でも11勝13敗と負け越した。7月には一番に定着した福地を中心とした機動力と、松岡、押本、五十嵐亮太、林昌勇らブルペン陣の奮闘で手堅く勝ちを拾って4位に浮上するも、青木宣親と宮本慎也が五輪出場で離脱した8月に5位に後退すると、最後までそのままだった。

前年の勝ち星トップ3が揃っていなくなった投手陣では、石川が2年ぶりの2ケタとなる12勝を挙げ、初の最優秀防御率を獲得。館山昌平も自己最多の12勝を挙げ、リーグトップの勝率.800をマークした。また、高校ドラフト1巡目で入団した由規は8月末にデビューし、9月6日の巨人戦で初勝利。林昌勇は33セーブと、来日1年目から守護神として君臨した。

打線では移籍の福地がプロ15年目で初めて規定打席に到達し、リーグ6位の打率.320に42盗塁で盗塁王のタイトルも獲得。さらに青木31盗塁、飯原28盗塁、川島20盗塁と4人が20盗塁以上を記録し、チーム148盗塁は両リーグNO.1だった。リグスの不振とガイエルの故障で5月半ばから四番に入った畠山和洋は打率.279、9本塁打と健闘したが、チーム全体では83本塁打と迫力に欠けた。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
読売ジャイアンツ
144
84
57
3
.596
2
阪神タイガース
144
82
59
3
.582
2.0
3
中日ドラゴンズ
144
71
68
5
.511
12.0
4
広島東洋カープ
144
69
70
5
.496
14.0
5
東京ヤクルトスワローズ
144
66
74
4
.471
17.5
6
横浜ベイスターズ
144
48
94
2
.338
36.5

主なラインナップ(監督:高田繁)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(右)
福地寿樹
33
.320
9
61
2(三)
宮本慎也
38
.308
3
32
3(中)
青木宣親
26
.347
14
64
4(一)
畠山和洋
26
.279
9
58
5(左)
飯原誉士
25
.291
9
62
6(二)
田中浩康
26
.290
5
50
7(遊)
川島慶三
25
.255
4
35
8(捕)
福川将和
32
.207
7
35
9(投)
※先発投手
川本良平
26
.253
2
21
武内晋一
25
.231
1
13
ガイエル
36
.200
11
35
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
石川雅規
28
30
12-10-0
2.68
館山昌平
27
24
12-3-0
2.99
川島亮
27
20
7-9-0
4.70
村中恭兵
21
21
6-11-0
4.34
林昌勇
32
54
1-5-33
3.00
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
最多盗塁
福地寿樹(初)
最優秀防御率
石川雅規(初)
ベストナイン(外野手)
青木宣親(4回)
特別賞
ゴールデン・グラブ賞(投手)
石川雅規(初)
ゴールデン・グラブ賞(外野手)
青木宣親(3回)
月間MVP(3、4月度・投手部門)
石川雅規

2009年
2月1日~27日
第10回浦添キャンプ
2月1日~14日
沖縄県島尻郡八重瀬町東風平キャンプ(ファーム第一次キャンプ)
2月15日~3月1日
宮崎県西都市西都キャンプ(ファーム第二次キャンプ)
5月27日
林昌勇投手が、交流戦・対オリックス1回戦(神宮)の9回表に登板し、無失点でセーブをあげ、20試合連続無失点の球団新記録を達成。
5月28日
館山昌平投手が、交流戦・対オリックス2回戦(神宮)に先発、7回無失点で勝利投手となり、昨年8月15日の中日戦からの連勝を12に伸ばし、球団新記録を達成。
6月14日
交流戦・対オリックス4回戦(京セラドーム)の5回表に、3番青木から打者一巡した。5番飯原まで11打数連続安打のプロ野球新記録を達成(先頭の青木から2番田中までの9打席連続安打はプロ野球タイ記録)。その後「11打数連続安打」がギネス世界記録に認定された。
8月7日
木田優夫投手が、対巨人11回戦(東京ドーム)の6回裏にラミレスから三振を奪い、通算1,000奪三振を達成(プロ124人目)
8月29日
五十嵐亮太投手が、対中日20回戦(神宮)でリリーフ登板し、通算500試合登板を達成(プロ84人目)
9月28日
福地寿樹外野手が、対阪神19回戦(神宮)の7回裏に二盗を成功させ、通算200盗塁を達成(プロ69人目)
10月9日
対阪神最終戦(神宮)において、石川-林昌勇のリレーで3-1で勝利し、初のクライマックスシリーズ出場を果たす。
11月4日~20日
秋季キャンプ(愛媛県松山市)

館山が最多勝、接戦制して初のCS出場
古田敦也の引退後なかなか確立できなかった正捕手に、前横浜の相川亮二を球団初のFA補強。開幕前日には宮出隆自を東北楽天に放出し、代わりに一場靖弘を獲得するトレードも成立させて、高田繁監督2年目のシーズンを迎えた。

その出足は上々だった。4月を12勝10敗と勝ち越すと、交流戦では2位につけるなど、5、6月も勝ち越して2位をキープ。石川雅規が4月9日から5月19日まで6連勝すれば、館山昌平は6月11日まで、前年から通算で14連勝をマークするなど、2人で投手陣を引っ張った。

7月は中日の猛追にあって3位に落ちるも、11勝10敗で4ヶ月連続の勝ち越し。月間打率.416、6本塁打と打ちまくった新外国人のデントナが月間MVPに輝いた。ところが8月に入るとそのデントナ、そして宮本慎也が相次いで離脱。さらに「ツバめ組」と名づけられた救援陣から8月末に五十嵐亮太、9月初旬には林昌勇が故障で相次いで離脱し、9月5日からの9連敗でついにAクラスから転落した。

だが、打線では青木宣親が前半戦の不振がウソのように打ちまくり、9月下旬からは四番に座って打線をけん引。投手陣では4年目の高木啓充、育成契約から這い上がったユウキらが救世主となり、最後は3位を争っていた阪神に館山、石川で連勝して、初のクライマックスシリーズ(CS)出場を決めた。

そのCSステージ第1シリーズの相手は2位・中日。敵地・ナゴヤドームに乗り込んでの第1戦は石川の好投にデントナが逆転2ランで応えて先勝したが、相川、高木、ユウキらがインフルエンザに集団感染した影響は大きく、第2、第3戦に敗れて第2ステージ進出を逃した。

館山は自己最多の16勝で初の最多勝を獲得し、石川がこれに次ぐ13勝を挙げたものの、2ケタ勝利はこの2人だけ。抑えの林昌勇は9月の離脱はあったものの28セーブ、防御率2.05と安定感を示した。期待の由規はたびたび右指のマメをつぶすなど5勝にとどまったが、オリックスから移籍のユウキが5勝し、前年まで0勝の高木が終盤に4連勝したのが大きかった。

青木は後半戦の復調で5年連続の打率3割をマークし、ガイエルとデントナの外国人コンビはともに20本塁打をクリア。福地は42盗塁で2年連続の盗塁王に輝いた。扇の要にどっしりと座った相川が、リーグトップの盗塁阻止率.400を記録したのも光った。

セ・リーグ順位表

順位
チーム
試合
勝率
ゲーム差
1
読売ジャイアンツ
144
89
46
9
.659
2
中日ドラゴンズ
144
81
62
1
.566
12.0
3
東京ヤクルトスワローズ
144
71
72
1
.497
22.0
4
阪神タイガース
144
67
73
4
.479
24.5
5
広島東洋カープ
144
65
75
4
.464
26.5
6
横浜ベイスターズ
144
51
93
0
.354
42.5

主なラインナップ(監督:高田繁)

打順 守備
選手名
年齢
打率
本塁打
打点
1(左)
福地寿樹
34
.270
5
34
2(二)
田中浩康
27
.258
4
35
3(中)
青木宣親
27
.303
16
66
4(一)
デントナ
27
.276
21
83
5(右)
ガイエル
37
.267
27
80
6(三)
宮本慎也
39
.294
5
46
7(捕)
相川亮二
33
.247
5
43
8(遊)
川島慶三
26
.255
12
43
9(投)
※先発投手
畠山和洋
27
.236
4
19
武内晋一
26
.257
2
13
飯原誉士
26
.250
6
23
打順 守備
選手名
年齢
登板
勝敗S
防御率
館山昌平
28
27
16-6-0
3.39
石川雅規
29
29
13-7-0
3.54
松岡健一
27
52
6-4-0
4.72
林昌勇
33
57
5-4-28
2.05
由規
20
22
5-10-0
3.50
  • 年齢は満年齢


表彰選手

セ・リーグ表彰
最多勝利
館山昌平(初)
最多盗塁
福地寿樹(2回)
最高出塁率
青木宣親(2回)
ベストナイン(外野手)
青木宣親(5回)
特別賞
ゴールデン・グラブ賞(三塁手)
宮本慎也(初)
ゴールデン・グラブ賞(外野手)
青木宣親(4回)
月間MVP(7月度・野手部門)
デントナ